プロローグ


 その日、雲ひとつない晴天にも関わらず、王国は深い悲しみに包まれていた。
 国王がわずか18歳という若さで呪いの力の前に倒れたからだ。
 予言されていたこととはいえ、聡明で民のことを愛していた王の時代の早すぎる終わりに、多くの民は悲しんだ。
 在位期間はたった2年という短さだった。

 

 彼に降りかかった呪いとは、

 死ぬまで眠り続けること――――


 国王が呪いの力に倒れるたびに、人々は噂しあった。


 王国を統べる王家――ブランジェット王家は呪われている、と。








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